シュレディンガーの猫物語
ボクの名前はご存知よこもじだにゃ!
・・・久しぶりだニャ。お久しぶりだにゃ~~ww元気にゃ!よこもじ元気にゃ!!
でもでも、気づくと沢山の人が僕をパーティーに誘ってくれて毎日がパーティー三昧の猫三昧だにゃ!そんな僕は俗に言うパ・リ・ピだにゃ~w
パ・リ・ピって何の意味か分かるかにゃ?パーティーピーポーの略だにゃ!
むふふふ~w僕は勉強熱心だから色々知ってるにゃ!
ん?
パ・リ・ピのリって何だにゃ・・・?
リ・・・?
どこにもリって入って無いにゃ・・・。う~~ん・・
あ、分かったにゃ!
きっとおつりの、りだにゃ!
パーティーやるにもお金がかかるにゃ。だからおつりの”り”だにゃ!!
完璧にゃ~w僕は何でも知っているにゃ~ww
そうそう、最近は世の中の事も勉強してるにゃ。
特にせーじ!
せーじの事も勉強しているにゃ!
何て言ったって僕が毎日パ・リ・ピになってお・つ・りを貰ったり、ジュレー海岸で日向ぼっこして自慢の毛づくろいが出来るのも、せーじがしっかりしているからにゃ!
でも最近はぶっそうだにゃ・・・。
近くの国の大統領が、なんか悪さをしてるみたいにゃ。
確か”ムンジェロン”っていう名前だにゃ!
国の一番偉い人が悪さをしてるってダメだにゃ~。
きっと名のある勇者さまがこらしめてくれるにゃ!そういうのを、いんがおうほうって言うにゃ!
にゃははは~w僕は何でも知っているにゃww
ところで今日はご主人様が大事な話があると言っていたからパ・リ・ピのお・つ・りを引き上げて、ご主人様に会いに来たにゃ!
大事な話ってなんだにゃ・・・?
ご主人様の家に着くと、いつもの明るい雰囲気じゃ無かったにゃ。
こっちまでドキドキしてきたにゃ・・・。
今日は君に、よこもじに大事な話がある。
・・・・・・少し事情が混みあっていて・・。
順を追って説明する。
”シュレディンガーの猫”という話を知っているかい?
「シュレディンガーさんの猫って事かにゃ?なんか上品な猫っぽいにゃ!」
まあ、そんな感じなんだけど、これは有名な哲学の思想実験の話なんだよ。
「しそうじっけんにゃ?知ってるニャ!歯磨きで血が出るってあれだにゃ!」
それは歯槽膿漏だよ、よこもじ。
「あ、そうだったにゃ!」
実際の話は君にとっては耐え難い残酷な話になってしまうから・・・
例えば、そうだな・・・
君がここへ来る前に、この箱の中にマタタビを入れた。この箱の中にマタタビが入っている。
「マタタビにゃ!大好きにゃ!大好きにゃ~~ww」
では改めて問う。
この箱の中には何が入っていると思う?
「そんなのマタタビに決まっているにゃ!ご主人様は嘘をつかないにゃw」
そう。確かにマタタビを入れた。
しかし実際にこの箱を開けるまではマタタビが入っているか入っていないか分からない。
「そんなの匂いを嗅げば分かるにゃ。僕のマタタビ対する嗅覚はドラゴラム級だにゃ!」
いや、ドラゴンの嗅覚はそれ程でも無いぞ?
「ひゆにゃ!ご主人様それは、ひ・ゆ・にゃ!」
そうか比喩か。よこもじ、成長したな。
「褒められると照れるにゃ~wでも~まんざらじゃ無いにゃ~w」
話を戻すと、
もしかしたら私は箱の外側にマタタビの匂いを付けただけかもしれないし、私が本当にマタタビを入れたかも分からない。
「そ、そんな言ったらキリが無いにゃ!箱を開ければ分かるにゃ!」
そう。つまり箱を開けるまでは分からない。
つまり箱の中にはマタタビが入っている状態と、マタタビが入っていない状態の2つの結果が同時に存在する。蓋を開け観測すると初めて結果として認識され、どちらか1つが現れる。
「混がらがってきたにゃ~・・・。」
それがシュレディンガーの猫と呼ばれる思想実験。
私達のこの一つの世界も、宇宙に等しいほどの無限大な選択の結果として、今という現在が存在している。
しかし、
選択されなかったもう一つの結果はどこへいくと思う?
宇宙の理(ことわり)から消去されるのさ。
文字通りの無だね。
人は困った時や人生に行き詰まった時、神に祈りを捧げるよね。もっぱら聖職者では無い、冒険者の私達には祈りを捧げるなんて種族を変える時以外では無いと思う。
君も、困った時の神頼みとかなら経験あるんじゃないかい?
「それはあるにゃ!神様仏様~ってやつにゃ!」
そう。どうにもならない現実に、どうか現状を変えるべく奇跡を与えて下さい神さま…っとね。
言い換えると世界を壊して私を助けて下さいって事だ。
凄く自分勝手な願望だと思わないかい?
自分の欲求の為にこの世の中の理(ことわり)を変えてくれって言うんだからね。
そんな理の外にいる誰も手に届かない絶対的な存在を
人々は神と言う。
君の両手には生まれ持った特別な刃がある。
「え?そんなの持っていないにゃよ?普通の爪があるだけにゃ!」
その爪の事さ。
_妖刀猫ノ爪痕。
またの名を、噛殺しの刃。
言い換えると、
神殺しの刃。
君のその爪は、そんな理(ことわり)の外を切る事が出来る呪われた刃なのさ。
「呪い!?この爪は呪われてるかにゃ!?」
いや・・・言い方が悪かったが、君のその爪は特別な物だ。
勘違いしないで欲しいが、決して君が呪われてる訳ではない。
「・・・良かったにゃ~。呪われてなければ大丈夫にゃ。・・・でも本当に僕の爪がそんな凄いのかにゃ!?信じられないにゃ!」
信じられないのも無理は無いよ。
しかし、
君のその妖刀猫ノ爪痕は、古い文献に伝わる世界の理(ことわり)を変える事が出来る特別な刃だというのも事実。
そしてここからが本題。
ムンジェロン大統領という人物を知っているかい?
「知ってるにゃ!近くの国の一番偉い人で、最近悪さをしてる人にゃ!最近せーじを勉強してるから分かってるにゃ!」
よく知っているなよこもじ。偉いぞ。
「照れるにゃ~wご主人様にそう言われると照れるにゃ~ww」
ムンジェロン大統領はこのアストルティアに強い懸念を持っている。国民の反ティア精神を煽り、アストルティアの平和を脅かしている。
そのムンジェロンの正体は、
神だ。
正式には神の力を持ったまま地に堕ちた堕天使だ。
神の力とは理(ことわり)の外にある絶対的な力。どんなに勇敢な戦士や賢者、勇者の力でも太刀打ち出来ない。
そう。
神殺しの力。
君の妖刀猫ノ爪痕で神を殺すのが君の使命だ。
「無理にゃ!そんなの僕には絶対に無理にゃ!!それに誰かを殺すなんて絶対に嫌だにゃ!!」
大丈夫。
ムンジェロンは堕天使に操られてるだけ。君のその爪で堕天使を消せばムンジェロンは国民に愛される立派な大統領になって、アストルティアにもまた平和が訪れるだろう。
「でもにゃ・・・、でもにゃ・・・!」
帰って来たら箱の中の特上マタタビを沢山あげるから!
「いってくるにゃぁぁぁぁあああ!!!」
頼んだぞよこもじ!!
・・・居たにゃ。
確かにご主人様が言ってた通りの場所にムンジェロンが密かに来ていたにゃ。
ここまで来たらやるしかないにゃ・・・!
特上マタタビ世界平和の為に、この妖刀猫ノ爪痕でムンジェロンを操ってる悪い神を・・・撃つにゃ・・・!!
「そこまでにゃムンジェロン!!」
「この神殺しの爪の力で、お前をやっつけるにゃぁぁああ!!!」
「わしゃ~ムーロンだぜよ~」
そそそっそんなハズ無いにゃ!まさか!まさかにゃ!!
ドッキリだったにゃぁぁぁぁ!!!
またしてもやられたにゃぁぁぁぁぁぁ!!!
っていう感じで、
この現実の世界も解決できたら良いよね~。
「そうだにゃ~平和が一番だにゃ~w」
「そうだご主人様!マタタビにゃ!特上マタタビはどこにゃ!?」
・・・。
「ご主人様~;;」
あるって特上マタタビw
「やったにゃ~w早くちょ~だいにゃww」
じゃ、帰ろっかw
「やったにゃ~ww」
_チャンチャン♪
こまちぉも元気ですよぉぉぉぉぉおお!!