ドラクエ

参幕:あの時のアイデンティティ(ドラクエ風味)

:弐幕 【森】 僕は奇妙に非現実的な月の光に照らされた森の浅瀬に入り、あても無く奥へと入って行く。 あたりを威圧する森林は夜の漆黒を抱え込み、風に擦れる葉音を幾多にも重なり響かせる。その音はどこまでもどこまでも深い闇に吸い込まれているようだっ…

弐幕:あの時のアイデンティティ(ドラクエ風味)

:壱幕 【斜陽】 遠くの森が黒い塊となって、オレンジ色の夕焼けが儚さを引き立てる。美しい鳥達は、その塊りにぼやけて消える。隙間なく重なり合う山のシルエットもすぐに闇に沈んでしまうのだろう。 僕はこの時間を何度も繰り返し見ていた。 街と森の間に…

小説:あの時のアイデンティティ(ドラクエ風味)

【一年前】 玄関のチャイムが鳴る。 テーブルに並んだ朝食を済ませ、学校へ行く仕度を終えると丁度いいタイミングで剣介が迎えに来た。 母と二人暮らしの生活になってからは家事も慣れたもんだ。母は先に仕事に出てるので皿洗いをして学校に行くのが俺の日課…